アジアン家具 エッセイ1〜アジア雑貨 インテリア家具販売 セレクトショップPLENOS(プレノズ)
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・優雅な猫とチェンマイのインジャン
・花ざかりの庭園


水の引力  2004/9/7

子供のころ夏になるとよく連れてってもらった場所で、山に向かって車で三十分くらいのところに滝がありその真下に子供が泳ぐのに向いている滝つぼがあった滝 ウォーターフォール。その時中耳炎にかかっていて、ぼく一人水に入れず周りの一段高くなったところからみんなの遊んでいる方をぼんやり見ていた。みんなの頭の上には落ちてくるたくさんの水の流れがあり、そのうちせみの鳴き声もみんなのはしゃぎ声も滝の音も聞こえてこなくなった。時間が消えてなくなり、自分とまわりの境目もなくなってやわらかい空気の層のようなとても気持ちのいい感じに包まれていた。遊んでいた一人に思い切り顔に水をかけられてはじめてわれに返った。まわりにはいつもの暑い夏が戻っていた。

それから水の流れにひかれっぱなしになった。上から下への流れが気持ちよく、それは水の自然の流れだけど、公園の噴水のように下から上へふきあがるのはあまり好きじゃない。はじめての場所へ行くと滝か小川をさがしたくなる。もちろんかっこいいホテルのプールやアートっぽい建物とかに使われる人の造った流れでもよくて、ぼくがバリ島をはじめとするアジアンリゾートが好きなのもこんなところからきてるのかも。

京浜急行の大森海岸駅からいくらも行かないところに、ぼくにとって都内でもお気に入りの水の場所がある。それは品川水族館。その日はバリ ハイアットホテル土曜日で昼にお目当ての蕎麦屋 布恒更科で粗挽きそばを心ゆくまで楽しんだあと国道を渡り、いつもの熱帯魚の大きな水槽の前に場所をとった。前面のガラスにはいくつもの小さな水の流れが上から下へとすべり落ちていた。水の中を泳ぐ魚たちはもう目に入らずぼくはしゃがみこみ、いつもの大きくやわらかい空気に包まれていた。もう最高の気分。

 どれくらいたったんだろう、いきなり何やら白いやわらかい固まりがぼくの右目を完全にふさいだ。一瞬何が起きたかわからなかった。すると幼い女の子がキャッと叫んで倒れかかってきた。甘いにおいがした。目からたれ落ちたものは舌ですくい上げるとなぜかおいしかった。母親らしい女性が女の子を抱きあげる。私に何度も頭を下げる。女の子がつぶれたソフトクリーム片手に、ママ、おかわり、ちょうだい ・・・・・だって。



青の誘惑  2004/8/4

 いつも追い求めているブルーがある。グレートブルーだ。リュック・ベッソン監督の、素潜りの王者ジャック・マイヨールを題材にとったあの有名な映画の題名から借用した。私の神秘体験だ。イルカ

 ほとんど仕事をしてなかった10年前のこと。いましめの意味で三つのことを実行していた。毎日ジョギングをし断酒し食事のカロリー制限を続けていた。それが作用したかどうかはわからない。ある夜ベッドに横たわり夢か現実か、いや、今でも確信している。私は完全に目覚めていた。すると突然そのグレートブルーが襲いかかってきた。自然界では見たこともない、夢でも、アートの世界でも1度だって見たこともない、空の、海の、宇宙の、いずれのものでもない美しいブルーの洪水がやさしい光とともに頭全体に広がった。そのブルーの情景に包まれている間中これは絶対に夢ではない、と何度も自分に言い聞かせていた。圧倒的な色彩と心地よさそして母の体内にいるような安心感にどっぷりと浸る一方、間違いなくこれは現実だと、必死にその歓喜の意識の中で確認していた。
 当然終わりはやってくる。そのうち偉大な時は止み、私は戻っていた、いつもの現実に。求めても求めても2度目はこれまで訪れていない。その後の生活習慣が私にそれを許さないのかもしれない。
 このことをここで取り上げたのには理由がある。実はもう一つのグレートブルーをつい最近自然界で見てしまったのだ。

 ロタ島へのノースウェスト航空の乗り換えで降り立ったサイパン空港でのこと。夕暮れにはまだま美しい 海だ時間があった。到着後待合室に行くまでの間どうして、あの空に気付かなかったかはわからない。私はそんなに広くない待合室の椅子に腰掛けて前方に目を見やった。滑走路に面した側のガラス窓。その向こうに広がる空前絶後の青空。積乱雲が所々混じり込んだあのブルー。目と脳と心に飛び込んできた美しすぎるブルー。これまで何度もアジアで太平洋できれいな海と空を見てきたつもりだ。しかしあれほどまでに純粋でダイナミックなブルーがあったとは。
もしかしたらあのサイパンの空より美しいブルーが世界中には星の数ほどあるかもしれない。間違いなくそうだろう。しかしそれでもあの空は私が自然の真っただ中で感じた第1位のブルーだった。ただしあの時のあの瞬間の空だからあのグレートブルーを見出せたと言えるのかもしれないのだ。
 実は、とても不健全な話だが、私はその時いくらか酒に酔っていた。成田からの機内でブラディーマリーからスタートしダブルのスコッチオンザロックスを2杯、機内食のローストビーフをつまみにグラスワインの赤白2杯ずつを胃に流しこんでいた。それに先立つ1週間前から禁酒していたせいもあり普段より酔いが早く回っていた。ただし決して酩酊などではなく、言うならばほろ酔い機嫌だった。暗算で4桁の足し算はできても、5桁は無理。両手を横に広げて片足で立つことはできても、その姿勢のまま足元のコインを拾うとひっくり返ってしまうくらいの酔いだ。

 想像するにアルコールの力が脳のある部分に作用して、通常では、理性的にロジカルに働スコッチくはずの神経回路が麻痺し、とっさに原初の人類の思考状態に立ち返った結果、眠っていた意識が解き放たれて本来人間に備わっている美意識、感受性のレーダーがあの真の色を、あのブルーを私に見させたのだと思う。どんな方法によるにしてもあのブルーは、自然界に確実に実在するオリジナルなものだと信じている。

 こう見てくると、ある者はヨガの行者や僧侶のように清浄で禁欲的な修行の反復により、ある者はアスリートや武道家のように過酷な肉体鍛錬により、またある者はジャンキーのようにアルコールや薬物により、このグレートブルーや、意識の拡大を、至高体験を体験しているのだろう。

 そういう私もサイパンでの体験以来、アルコールぬきで、スポーツとヨガによりグレートブルーを再発見するべく新たなスタートを切ったのだった。今見えないだけなのだ。日常意識の膜を突きぬければその向こう側には、あのブルーが待っている。

 最後にもう一つのブルーをご紹介しよう。

 3年前ある女性と出会った。夏の終わりの午後一時。快晴。世田谷の三宿。黒のボルボC70を路駐し待った。前方からロングヘアーの女性が少しはにかみながら近づいてくる。シンプルで体のラインをさりげなく引き立てたとても感じのいいマックスマーラーのワンピースで。色はもちろんブルーだ。魅惑の、麗しのブルー。膝上の丈で、その下からハイヒールまで伸びたおみ足のきれいなこときれいなことこのうえなく。

 われらがオーナー、PLENOS 柳川千秋ここにあり。

★ そんなオーナーからあとがき・・・ ★
読書好きなアンリだけあって、文学的ですね〜。小説を読んでいるのかと思いました。。。
でも、最後のオチは何?脚だけなの?顔はどこにいったの?




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